道の駅「宇津ノ谷峠(藤枝側上り)」で発見
2022年の1月某日、車中泊をしようと立ち寄った宇津ノ谷峠の道の駅「宇津ノ谷峠(藤枝側上り)」の案内所で、この付近に東海道に関する歴史的な見どころがあるという情報を発見。管理人は超が付く勉強嫌いですが、昔からなぜか東海道だけには興味があったので、さっそく翌日に見学することにしました。
※記事中の写真は富士フイルムの「X-T1」で撮影しています。(一部だけスマホ)
宇津ノ谷峠とは?
宇津ノ谷峠(うつのやとうげ)は静岡市と藤枝市の境にある峠で、日本の大動脈の国道1号線が通る交通の要衝です。
現在は、峠を貫く大きな国道1号線のンネルがあるので楽に峠を越えられますが、トンネルができるまでは山の中の旧東海道を歩かなければならなかったので大変だったと思います。
「明治のトンネル」の玄関口
「明治のトンネル」に行くためのルートはいくつかあります。今回は北側にある宇津ノ谷の集落から入ることにします。集落の中を通る道路はきれいに整備されているので車で通れます。ただし、道幅が狭いので徐行した方が良いでしょう。
宇津ノ谷の集落に入ってすぐにあった看板です。この集落の奥に「旧東海道」や「明治のトンネル」があるのは間違いないようです。
集落の間をゆっくりと走って集落を抜けると、このルートの難関の超ヘアピンカーブが見えてきます。このカーブは見た目以上にきつくて、管理人の車(ハッチバック車)は一発で曲がれませんでした。(要切り返し)
ヘアピンカーブを曲がってさらに奥に進むと車が5台ほど止められる駐車場が見えてきます。ここに案内板と公衆トイレ、東屋とジオラマ模型がありました。
駐車場にあるジオラマ模型。旧東海道(黄色の道)が急な山道を上って尾根を越えていることが良くわかります。明治のトンネルはちょうど旧東海道の下に作られたようです。
「明治のトンネル」を歩く
駐車場から少し歩くといよいよ「明治のトンネル」が見えてきました。真っ暗なトンネルを想像していましたが、天井に電球タイプの照明が取り付けられているので「怖い」という雰囲気はありません。
長さは100~200メートルといった感じでしょうか。奥の方に出口が見えているので少し勇気が必要ですが、トンネルを通って反対側まで行ってみることにします。
真冬の1月なのであたり前ですがトンネルの中の空気はひんやりしています。照明が点々としているのでけっこう薄暗いですが、照明の色が電球色(オレンジ色)なので怖いというよりホッとする感じです。
静まり返ったトンネルの中を歩くこと数分・・・ちょっとドキドキしましたが何事もなく無事に反対側にたどり着きました。
少し歩くと道が分岐していました。左に曲がると「蔦の細道」方面へ、真っすぐ進むと県道208号線(国道1号線の旧道)に出ますが、どちらも時間がかかりそうなのでトンネルを戻ってヘアピンカーブの近くにあった入り口から少しだけ旧東海道に入ってみることにします。
それにしても、藤枝側から見た明治のトンネルは、本当に何もない山奥に突然現れた謎のトンネルという感じがして良いですね。
旧東海道を歩く
宇津ノ谷の集落側の旧東海道の入り口はヘアピンカーブの近くにあります。近くに駐車場はありませんので、今回はヘアピンカーブの端っこに車を止めました。
ちなみに、こちらが旧東海道の入り口ですが、やはり宇津ノ谷の峠越えはかなり険しいようです。杖の代わりになる木の棒が何本も置いてありました。
旧東海道に入ると、すぐに木や竹がうっそうと生い茂る山道になりました。まだ午前中で晴れていたので明るい雰囲気でしたが、晴れていても夕方近くになると薄暗くなって一人で歩けるような雰囲気ではなくなるでしょう。
旧東海道の途中にあった「馬頭観音碑」。旧東海道を歩いた人々はここで峠越えの安全を祈ったのかもしれません。奥に見えるのは先ほど通った宇津ノ谷の集落です。
途中に「お弘法さん この先40メートル」という手作りの看板があります。この先に弘法大師を祀った祠があります。管理人も立ち寄って手を合わせてきました。
旧東海道はさらに山の奥へ続いていますが、山道を歩く準備をしていないので、今回はここで引き返すことにします。
旧東海道の途中でみかけた、昭和初期に撮影された宇津ノ谷集落の風景写真の案内。管理人は今回初めてここを訪れましたが、古い写真と現在の様子を見比べるとさすがに歴史を感じます。
<案内の拡大>
ということで、今回の記事はここで終わりです。この後、宇津ノ谷峠の少し南にある東海道五十三次の二十一番目の宿場「岡部宿」(大旅籠の柏屋で有名)を見学してこの地を離れました。
まとめ・備考
かなりの山奥なので、夏に訪ねる場合は虫刺され対策をしておいた方が良いと思います。また、2020年に宇津ノ谷峠近くの満観峰で熊の親子が目撃されてニュースになっているみたいなので、秋に訪ねる場合は念のため熊対策をした方が良いかもしれません。
<地図>
最寄りの高速道路のインターチェンジは新東名高速道路の「藤枝岡部IC」と東名高速道路の「焼津IC」になります。
<情報>
END